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筋トレ倶楽部Hoppy

HOPPYの仲間たち|第10話「今日は来ないってさ」

Hoppyの物語

2025年6月15日

HOPPYの仲間たち
~ジムで見つけた僕の居場所~
第10話 「今日は来ないってさ」

「今日も、モッティ来ないね」

ボニーがベンチでタオルを肩にかけながらつぶやいた。
ルルは水をひと口飲み、静かにうなずく。

「うん、3日連続かな」
「風邪とかじゃなきゃいいけど…」

HOPPYのジムは、今日もいつも通りの時間が流れていた。
スクワットラックでは誰かがうめき、ダンベルの音が時折響く。

でも、黄色いシャツがひとつ、足りなかった。

「連絡……してみる?」
「うーん、どうしよう。気にしすぎかなって思って」

ルルは言いかけて、ふっと目を伏せる。
モッティはよくしゃべる。でも本当の気持ちは、あまり語らない。

「前にさ、『ジムは俺の居場所です』って言ってたんだよ」

ボニーの言葉に、ルルは小さく笑う。
「ほんと、あの子らしいな」

フクロカさんが静かに近づいてきた。
ベージュのジャケットを着て、今日も変わらずジムの片隅にいる。

「……モッティくん、少しお休みかな」
そう言って、みんなの顔を見回す。

誰も返事をしなかった。
気づいていた。でも、言葉にできなかった。

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少し間を置いて、フクロカさんがぽつりとつぶやく。

「誰かが来ないって、やっぱりちょっと寂しいよね」

その言葉に、ボニーもルルも、ゆっくりとうなずいた。
ジムはにぎやかでも、仲間の不在はちゃんと感じる。

「…次は、来るといいな」
ルルが静かに言った。

「うん。俺、ちょっと早めに来てみようかな」

そんな何気ない会話のあと、ふたりはまた、それぞれのトレーニングに戻った。

音楽が流れる。鉄の音が響く。
でもその奥に、モッティの笑い声が、少しだけ恋しく響いていた。


今日のひとこと
誰かがいないだけで、世界は少しだけ静かになる」

次回 第11話 「休んでいたその理由とは?」

マンガ第1章HOPPY入会編