札幌中央区のセミパーソナルジム
hoppy_logo_header

札幌中央区のセミパーソナルジム

筋トレ倶楽部Hoppy

HOPPYの仲間たち |第21話「岡田氏のパーソナル ボニー編②」

Hoppyの物語

2025年9月7日

HOPPYの仲間たち ~ジムで見つけた僕の居場所~
第21話「岡田氏のパーソナル ボニー編②」


「ふっ……んん……よしっと」

BONNYはベンチ台から身を起こし、
タオルで額の汗をぬぐった。


ベンチプレスの重量は、最近ずっと横ばいだった。
身体は変わってきた。フォームも崩れてない。
でも、“伸びてる感覚”がない。

それが、ずっと胸に引っかかっていた。


その様子を見ていた岡田氏が声をかける。

「調子どう?」

BONNYはタオルをたたみながら、ぽつりと答えた。

「……最近、停滞してる気がするブー」

岡田氏はうなずいて、言った。

「じゃあ今日は、“感覚の確認”をしてみようか」


BONNYがうなずくと、岡田氏は静かに言葉を重ねる。

「足をベンチに乗せて、足の力を抜いてみよう。
今日は“上半身だけで受ける”感覚を意識してみて」


BONNYはゆっくりとベンチに仰向けになった。
そして、両足を持ち上げ、膝を軽く曲げて、
ベンチの上にそっと乗せた。

画像

その体勢は、少し不安定で、身体の感覚に一気に意識が向いた。


バーベルをラックから外し、
胸の直前までゆっくりと下ろしていく。


「……っ!」

バーが胸に近づいたその瞬間、
重さが“腕じゃなくて、胸に落ちた”感覚があった。
背中からも力が地面に流れていくのがわかる。


「……!」

そのまま、反発するように、ゆっくりと押し返す。


BONNYはバーをラックに戻してから、
目を丸くして、ぽつりとつぶやいた。

「さっきより、腕がつらくなかったブー……」

岡田氏が、にっこりと微笑む。


「それでいい。
重さを受けるのは、骨格と背中と胸。
“腕で押す”だけだと、伸びないんだ」


「力を入れるんじゃなく、
“いらない力を抜く”ことも、強くなるってことだよ」


BONNYは、少し間を置いて言った。

「……強くなるって、力まなくていいってことなのかもブー」

岡田氏は静かにうなずいた。


 

今日のひとこと
抜くことで届く力も、ある。」

次回 第22話  「黒い紙が風に舞った」

マンガ第1章HOPPY入会編