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筋トレ倶楽部Hoppy

HOPPYの仲間たち |第28話「お前……本物…か?」

Hoppyの物語

2025年10月26日

HOPPYの仲間たち ~ジムで見つけた僕の居場所~
第28話「お前……本物…か?」


朝のジム。
いつもより少し早い時間に、シャッターの音が響いた。

岡田氏が準備を始めようと扉を開けると、そこにいたのは――

「HELLO!ビジター!ジム、ツカッテイイ?」

…大きい。
明らかに全員の1.5倍はある筋骨隆々の身体、そして黒光りする毛並み。

「シングルユース!OK!?」

岡田氏が一瞬戸惑いを見せる。
モッティが目を丸くし、ボニーが「なんだブー!?」とタオルを握りしめた。

「こ、これは……外国の方ですブーね……」

ルルは言葉を発せず一歩下がる。誰もが言葉に詰まった瞬間。

「Hi there. You can use the gym. Please fill out this form first.」

画像

穏やかな声が響いた。

全員が振り返る。
そこには、静かに歩いてきたフクロカさんの姿があった。


一瞬の沈黙。

だが、外国人男性――筋肉の鎧をまとったその男の目が、フクロカさんを見た瞬間、ピクリと動いた。

「……No way.」

彼はポケットから古びたスマホを取り出し、ある画像を見せる。

「Delta-9部隊、砂嵐の中で負傷兵を背負って戻ったって伝説……これ、あなたじゃ……?」

そこに映っていたのは、
若き軍服姿の女性。だがその目は、今のフクロカさんと同じだった。

「You’re… the Owl of Delta-9… aren’t you…?」

岡田氏をはじめ、全員が固まる。

「え?なに?えっ?何て言ったの今!?」

「フクロカさん……軍人だったの……?」

フクロカさんは静かに微笑んで、こう言った。

「昔、ちょっとだけね。……それより、トレーニングの話、しましょうか」


大柄なゴリラーマンは照れたようにうなずいた。

「Y-Yes, Ma’am… I mean… Yes!」

画像

その後、誰も彼女に過去を聞くことはなかった。

ただ一つだけ、モッティがぽつりと漏らした。

「すごいね……やっぱり、ただ者じゃなかったんだね……」


今日のひとこと

ほんとうにすごい人ほど、静かに笑う。


次回   第29話「それは、ここだけの話」
(※HOPPYの中で密かに語られる、フクロカさんの“秘密”と“もうひとつの顔”)

マンガ第2章アイアンヘル編