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筋トレ倶楽部Hoppy

HOPPYの仲間たち | 第24話「“正しさ”のすれ違い」

Hoppyの物語

2025年9月28日

~ジムで見つけた僕の居場所~ 第24話「“正しさ”のすれ違い」


午後のジムに、重たい沈黙が落ちていた。
器具の音も、声もない。
ただひとり、黒い男がカウンターの前に立っていた。

黒蛇のクロノス。
黒のスーツに身を包み、腕を組んだまま動かない。

その前に、岡田氏が立つ。


「久しぶりだな、クロノス」

岡田氏が先に口を開いた。
穏やかに、だが少しだけ声に力がこもっている。

「まさか直接来るとは」

「こういう場所の“空気”を、体感してみたくてね」
クロノスは静かに笑った。口元だけが動く、目は笑っていない。

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「なかなか、のんびりしてる」
ジムの床、壁、器具、掲示板をぐるりと見渡す。

「でも……“ぬるい”な。
10年後、この空気のままで、何人が結果を出せてると思う?」


岡田氏は少しのあいだ黙っていた。
そして、器具の方へ歩いていきながら、ポツリとつぶやく。

「俺は、“あと数回やれる”くらいの余白を残すトレーニングが、
 いちばん“明日も来たくなる”って信じてるんだ」


クロノスの表情が微かに動いた。

「甘いな。
本気で変わりたい人間に、“余白”なんて優しさはいらない。
徹底的に追い込んで、限界を超えさせる。それだけだ」


「限界を超えたその翌日、立ち上がれなかったらどうする?」

岡田氏の問いに、クロノスは肩をすくめる。

「結果をだせないものに休む暇などない」


一瞬、空気が凍る。

そしてクロノスは、テーブルに一枚のカードを置いた。
IRON HELLの体験チケット。

「この中の誰か、“答え”を探してるように見えたよ。
興味があるなら、歓迎する」


岡田氏はそれを見つめ、触れなかった。
その代わり、静かに言った。

「答えは、人じゃなくて、続けた“日々”がくれる」


クロノスは何も言わず、背を向ける。

「じゃあ、また――“結果”の違いを見せ合おう」

重い足音だけが、ジムの外へ消えていった。


 

今日のひとこと
「違う道を選んだふたりの言葉が、静かに交差した。」

次回  第25話 「その日から何かが変わった」

マンガ第2章アイアンヘル編