札幌中央区のセミパーソナルジム
hoppy_logo_header

札幌中央区のセミパーソナルジム

筋トレ倶楽部Hoppy

ようこそHOPPYジムへ ──その扉の奥には、物語がある 3-1

Hoppyの物語

2026年3月29日

第三章 揺さぶられる信念

第1話「IRON HELLの気配~新たな誘いと脅威~」

その朝、ルルはいつもより30分早くジムに着いた。
空気はまだ湿っていて、街の音も遠かった。
ジムの前の歩道で足を止めたとき、不意に目に飛び込んできたのは――

「……なんだ、これ」

入口脇の電柱に、大きなポスターが貼られていた。
《IRON HELL 新規会員募集開始》
黒地に赤い大文字。そして中央には、スーツ姿のクロノスが腕を組み、鋭く睨んでいた。

画像

(……ここから近いってことか? まさか)

そのままポスターを見上げていると、背後から足音が近づく。
「よう、ルル」
モッティだった。数秒遅れて、ボニーもやってきて肩越しに覗き込む。

「これって、クロノスだよな? IRON HELLの……」
「近くに新店舗? なんでこんな場所に……」

3人のあいだに、言葉にならない緊張が走る。
そのとき、向かいの通りでタクシーが止まり、中から大柄な男が降りてきた。
黒いジャンパーに、背中には《IRON HELL》のロゴ。明らかに関係者だ。

彼はHOPPYの前まで歩いてきて、堂々と立ち止まった。
一言も発せず、ただ3人をじっと見てから、再び歩き去っていった。

画像

「……あれ、何だったんだ」
「チラシの配布……視察……?」

不安がじわじわと広がる

そのとき、ジムの扉が静かに開いた。
フクロカだった。
ベージュのジャケットに緑のスカート、いつもの姿で、ゆっくりと歩み寄る。電柱のポスターを見ながら誰にともなく話し始めた…

「クロノスのトレーニングジムは、筋トレ界において“結果至上主義”で知られています。
“できる者”だけを求め、できない者は、容赦なく切り捨てる……」
その穏やかな声には、わずかに冷えた響きがあった。

一瞬の沈黙を破るように、ジムの窓に立つ人影――岡田氏がいた。
外をじっと見つめるその目には、見慣れない深い皺が刻まれていた。

フクロカは、足音も立てずに
しかし、かすかな羽音をさせてジムへ戻った
そして、静かに彼に近づき、声を落とした。
「……本気で来るなら、これは“広告”じゃ済まされません。
HOPPYそのものが、試されることになるでしょうね」

岡田氏は言葉を返さず、ただ外の空気を読むように立ち尽くしていた。

やがて、ルルはひとりでラックに向かった。
バーベルを担ごうとしながら、ふと遠くを見つめる。
鉄の匂い、床の感触……いつものそれが、今日はどこか薄く感じた。

「……俺、ちょっと気になってるんだよな。あのジム」

ぽつりとこぼれたその言葉に、モッティもボニーも何も返せなかった。
ただ、その横顔を静かに見守っていた。

目に映るのは、わずかな揺らぎ。
それは湖面に落ちた小石のように、波紋を静かに広げていく。

“強い者だけが残る場所”と、
“挑む者を支える場所”――
二つの信念が交差し、見えない戦いが、静かに始まりを告げた。

つづく

第三章
第2話「ルルの決断~理想と現実のはざまで~」

マンガ新約HOPPY物語