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筋トレ倶楽部Hoppy

HOPPYの仲間たち|第6話「このフクロウ、なに者なの?」

Hoppyの物語

2025年5月18日

HOPPYの仲間たち
~ジムで見つけた僕の居場所~
第6話「このフクロウ、なに者なの?」

 

「なあモッティ。あのフクロウ、何者ブー?」

ベンチプレスの合間に、ボニーがぽつりとつぶやいた。
隣でストレッチしていたモッティは、ちょっと首をかしげた。

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「フクロカさん…?カウンセラーじゃないの?」

「いや、そうなんだけどブー。でも、なんか……ただのカウンセラーじゃない気がするブー」

 

この数日、ジムの空気が少しだけ変わった。
きっかけは、モッティが初めてフクロカさんと話したこと。

それからというもの、他の仲間たちも少しずつ、フクロカさんの存在を“意識”し始めていた。

 

「この前さ、フォーム崩れてた時、なんか視線を感じたの。見てたよ、絶対」

とルルが言う。

「でも、近寄ってこないんだよね。不思議」 

たしかにフクロカさんは、いつも静かにジムの隅に座っている。
誰かが話しかければ、ふわっと微笑んで答えるけど、こちらから歩み寄らない限り、自分からは何も語らない。 

その日も、誰が声をかけたわけでもないのに、気づけばフクロカさんはベンチに座っていた。

ただ、いる。
それだけなのに、安心感がある。

 

「……あの人、なんであんなにわかるんだろう」

モッティは思い出す。
自分が話したときも、ほとんど何も言わなかったのに、不思議と心が軽くなった。

 

「それにさ…この前、誰もいない時間帯に見ちゃったんだブー」

ボニーが、ひそひそ声になる。

「フクロカさん……スクワットしてたブー。ガチのフォームで」

「えっ!?」

「しかも、めっちゃ静かに。音立てずに、スーッて。影が床に伸びてて……正直ちょっとゾワッとしたブー」

 

「トレーナーじゃないのに、なんでそんな…」

「なに者なんだろうね」

 

3人は、ジムの片隅にいるフクロカさんをちらっと見る。
いつもと同じように、ただ静かに座っているだけ。

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でもその瞳は、すべてを見透かしているようでもあり、
何も気にしていないようでもあった。

 

その夜、ジムの入り口の横に、新しい小さな貼り紙が貼られていた。

「もし話したくなったら、ここに座ってみてください」
小さなベンチの横に、やわらかい文字。

それを見て、誰が貼ったのか、みんななんとなく察していた。

 


今日のひとこと
「静かにそこにいて、静かに誰かを見ている。ジムの隅にいるそのフクロウは、たぶん、ただのカウンセラーじゃない。」

第7話 「岡田氏パーソナル モッティの場合」

マンガ第1章HOPPY入会編