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筋トレ倶楽部Hoppy

HOPPYの仲間たち|第2話「はじめてのスクワット記念日」

Hoppyの物語

2025年4月21日

HOPPYの仲間たち|~ジムで見つけた僕の居場所~

第2話「はじめてのスクワット記念日」

ジムに通い始めて一週間。モッティはまだ「空気を吸うだけトレーニング」から抜け出せずにいた。

(筋トレって、いきなり始めなくてもいいよね…。とりあえずジムに来てるだけでも、うん、えらい。)

そんな風に自分を納得させて、今日も入口近くでストレッチだけして帰ろうとしていた。その時、ベンチプレスでトレーニング中のブタのボニーが、モッティに声をかけてきた。

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「モッティ、最初はみんな初心者ブー。焦らず自分のペースで進めればいいブー。」

ボニーの言葉は、モッティの心にじんわりと響いた。

(あのボニーさんでも、最初はそうだったのかな…。)

少しだけ、背中が押された気がした。

そのまま帰るつもりだった足が、なんとなく鏡の方へ向かう。鏡の前に立つ自分が、ちょっとよそ行きの顔に見えた。

「モッティさん、こんにちは。今日は調子どうですか?」

岡田トレーナーが、優しい笑顔で声をかけてくれた。相変わらず、安心する声。

「せっかくなので、今日はひとつ、スクワットやってみますか?」

「ぼ、ぼくが…スクワット…?」

「はい。ひとつだけ。立って、しゃがんで、立つ。それだけです。」

それだけ。 そう言われると、できる気がした。モッティは、ちいさくうなずいた。

足を肩幅に開いて、つま先を少し外向き。背すじを伸ばして、胸を張って、鏡の自分と目を合わせる。

(よし…いける。)

そろっと腰を落とした瞬間――足がぷるぷる震えた。変な顔になってる。鏡の中の自分が、それを笑ってる。

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だけど、なんとか立ち上がった。成功だ。

「はい、スクワット1回、成功!」

岡田さんが本当に拍手してくれた。それだけで、胸がぎゅっとなった。

そのとき、ボニーの声が響いた。

「拍手ブー!人生初スクワット記念日だブー!」

ピンクのシャツのLULUが、そっとうなずいた。

「……まあ、悪くない。」

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モッティは、ふふっと笑ってしまいそうになった。そして、ちょっとだけ目をそらして、小さな声で言った。

「……もう一回、やってみてもいいですか?」


今日のひとこと
「最初の一歩なんて、誰も覚えてない。でも、モッティにとっては、一生モノの“スクワット1回”だった。」

次回 第三話 「重さの向こうに、何があるブー?」

マンガ第1章入会編