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筋トレ倶楽部Hoppy

HOPPYの仲間たち|第8話「岡田氏パーソナル ルルの場合」

Hoppyの物語

2025年6月1日

HOPPYの仲間たち
~ジムで見つけた僕の居場所~
第8話「岡田氏のパーソナルト ルルの場合」 

 

HOPPYのジムに、タンッ…タンッと、一定のリズムが響く。
LULUがいつものように、黙々とスクワットをこなしていた。

フォームは美しい。沈み込みも深い。
誰が見ても「完璧」と言っていい動き。

けれど――岡田氏は、じっと見ていた。

「ルルくん、ちょっと一度、ストップしようか」

ルルは少し驚いた顔で立ち上がる。
岡田さんから声をかけられるなんて、久しぶりだった。

 

「悪くないよ。いや、むしろすごくいい。だけど――」
岡田氏は、ゆっくり近づきながら言った。

 

「ルルの場合はね、足だけで頑張ろうとしている。腹圧が抜けているよ

 

ルルは一瞬、返す言葉が見つからなかった。
誰にも指摘されたことのない“深部”を見抜かれた気がして。

 

「えっと……足だけ…ですか?」

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「うん。脚力がある人ほど、頼りすぎる。
でも、それだと“体幹の柱”が使われてない。だから回数を重ねると、腰や背中に逃げちゃうんだ」

ルルは思わず手を背中にやった。
確かに、追い込んだあとにピリッとした違和感を感じることがあった。

 

「じゃあ、どうすれば…」

肩の力を抜いて、首を伸ばしてみて。
すると背中が自然に張って、腹圧も入りやすくなる」

岡田氏は、ルルの肩にそっと手を添えて、位置を調整する。

「そこから下ろしてみよう。今度は“胴体ごと”を意識して」

 

ルルは指示どおりに動いてみた。

――重さが、違う。

これまで感じていた“膝と太ももへの圧”が、
“体幹と背中全体”に分散されている。

「……なんだ、これ…?」

ぽつりと出た言葉に、岡田氏は笑った。

「スクワットはね、全身で支えるから面白いんだよ」

 

ルルは深く息を吐いて、もう一度バーベルを担ぎなおす。

 

(あの時、リレーでバトンを落とした――)
(あれもたぶん、“背負いすぎた”んだ。ひとりで)

いま、自分は重さを“ひとりで”じゃなく、“体全部”で受け止めている。

それが、すこしだけ、心にもしみた。

 


今日のひとこと
「脚で跳んできたけど、背中で踏ん張れるようになった。強さは、広がっていくものなのかもしれない。」

次回 第9話 「岡田氏パーソナル ボニーの場合」

マンガ第1章HOPPY入会編