札幌中央区のセミパーソナルジム
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筋トレ倶楽部Hoppy

ようこそHOPPYジムへ ──その扉の奥には、物語がある 5-2

Hoppyの物語

2026年5月31日

第2話「モッティの覚悟~兄妹の約束を超えて~」

土曜の夕方、ジムを出たモッティは、そのままこももの通う学童へと足を運んだ。リュックを背負い、小走りに出てきたこももが、彼を見つけて笑顔を浮かべる。

「お兄ちゃん!」

モッティは、いつものように優しく手を振った。その笑顔に応えるようにしながらも、彼の胸には、どこか言い知れぬ重さがあった。

帰り道、街灯の灯りがぽつぽつと点き始めるなか、こももは手を振りながら話す。

「今日ね、ななこちゃんの話で盛り上がったんだよ。おともだちの女子、みんなななこちゃんみたいなスタイルになりたいって!」

「へぇ、そっか。ななこちゃんって、やっぱり人気なんだな」

モッティは少し笑って応じる。

こももはふと立ち止まって、ぽつりと言った。

「ねえ、お兄ちゃん……ママって、ずっと帰ってこないの?」

その声に、モッティの足も止まる。

「……ママはね、仕事がすごく忙しいんだ。でも、俺がいるから大丈夫だよ」

そう言いながら、モッティはかつてのある出来事を思い出していた。

* * *

こももがまだ小さかったころ、ママの帰りが何日も遅れることが続いた。

寂しさを紛らわせるように、こももは毎日テレビを見ていた。

その中に出てくる、アイドル歌手の梅島ななこ。

テレビの前でこももは言った。

「ねえお兄ちゃん。ママ、今日も歌ってるよ!」

モッティはそのとき、何も言えなかった。

こももは本気で、ななこをママだと思っていたのだ。

自分のママは、テレビの中で輝いていて、でも自分のそばにはいない。

その勘違いが、彼女の寂しさの証のように思えて、モッティの心を締めつけた。

だから彼は決めたのだ。

“自分だけは、こもものそばにいよう”と。

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それが彼が公務員という安定した道を選んだ理由だった。

定時に帰れて、必ず週末は一緒に過ごせる。
それが、こもものためだと思った。

けれど、最近のジムでの出来事が、モッティの心に小さな波紋を広げていた。

こももにスクワットを教える時間が、なにより楽しい。

先日の高齢者イベントで、岡田氏の補助に入ったときにも思った。

(……僕、教えるの、好きかもしれない)

いつからか、ジムでの時間が、日常の中で特別な意味を持ち始めていた。

その夜、HOPPYの照明が落ちたあと、モッティはひとり、ベンチに座っていた。

「……こももの兄ちゃんとしてだけじゃなくて……」

静かに言葉を紡ぐ。

「僕自身も、一人のトレーナーとして、やってみたい。そう思ってる」

手元のメモ帳に、彼はこう書いた。

「教えることの先に、自分の生き方がある」

書き終えると、ふっと息をついた。

翌朝、玄関でランドセルを背負ったこももが、振り返って言った

「兄ちゃん、今日もスクワット教えてね!」

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モッティは、笑顔で手を振った。

その背中を見送ったあと、ゆっくりと目を閉じる。

(これからも、僕は僕の道を歩む)

心に、静かな覚悟が灯っていた。

つづく

最終章
第3話「HOPPYの絆~三人が再び交わる場所~」

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